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少年「まだまだ出るな。」
ボヤきながら交差点にフルバンクで入っていく。
少年「…⁉…やばっ‼」
交差点に入った直後に横擦りしてしまい、吹っ飛ぶ少年。
少年に真っ直ぐ進んでくるバイク。
少年「あ…死んだ」
だが、運はそんなときに限ってツいてきたらしい。
バイクはギリギリの所で右によけたが、自転車を踏んでしまい、ライダーが吹っ飛んだ。
少年は余りにもギリギリな世界を体感したため、少しの間気絶していたらしい。
気づけば、病院のベッドの上だった。
少年「ここは…眩しっ‼」
隣のベッドの人「お‼目を覚ましたか?見て解るとおり、ここは病院だぞ!」
ガタイの良い人が、笑いながら言った。イメージ的には土方の人っていう感じ。
少年「あれ?俺、生きてるし」
隣の人「そりゃあそうだろう?俺がとっさによけたんだからな‼おかげで左腕折っちまったがな。CBRも廃車だな。」
笑いながら、なかなかヒドい惨状をあれこれ話している。それを聞いた少年は、自分のミスのせいでこんな被害が出たことに悲しみを覚えた。
少年「すいませんでしたぁ‼こんな事になってしまってから言うのもなんですが…本当に申し訳有りませんでした‼」
半泣きで謝りまくる。
隣の人「気にするな。人の命と比べれば安いもんさ。CBRも保険で新車にするから大丈夫だしな。それより少年。俺は惟石義樹(コレイシヨシキ)って言うんだ。君の名前は?」
少年「綾部です。綾部真弥(アヤベシンヤ)」
惟石「そうか‼良い名前だ‼それと、打撲は大丈夫なのか?チャリで吹っ飛んだ時の衝撃がすごかったらしいじゃないか」
そう言われた真弥は、恐る恐る体を起こそうとする。
真弥「ッテェ‼」
激痛が走る。
惟石「ハハハ!無理するな!医者も時期直るだろうとさ。良かったじゃないか!」
真弥「ハハハ…」
痛みをこらえながら笑う真弥。
~序章終わり~
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