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ACT3:始まりは…
…ふぅ、なんか今日は長かったなぁ…
「ところで皇さん…ふと思いましたが…」
「ふぇっ?」
秀の問いに気の抜けた反応をする魅遙。
「間抜けな反応さね」
紫苑が尽かさず微笑する。
「むぅ…」
その紫苑とは裏腹に頬を膨らませる魅遙。
「普通に紫苑と会話出来てるみたいですけど、男嫌いはもう大丈夫ですか?一応紫苑もお…」
一時(いっとき)の静寂。
「…あっ…」
硬直する魅遙。
放心状態に陥っているようだ。
「…秀、あのまま自然に気が付いたら慣れてましたとゆう俺の作戦を…」
紫苑が実兄に冷たい眼差しをぶつける。
「悪気がある訳ではありませんけど、済まない…僕が皇さんの相手になるよ」
代わろうとするが…
「秀はまだ頭が痛むだろう?無理するなよ」
心配しているようにも聞こえるが、
「では何故傷口のある頭を触ろうとしているるのですか?」
「遊び心だ」
途端に秀の後頭部に触れる紫苑。
「っ!?」
顔を歪める秀。
「軽く触ってこれだもんな」
「…事情をご存知の上で触る輩は、普通居ませんよ…」
苦笑しつつ呟いた秀に、
「ここに居るだろ?実の弟の、しかも双子の輩が?」
苦笑仕返す。
「あっ…あの…は…林原先輩…」
完全に二人のやり取りに呆然としていた魅遙が、「二人」を呼んだ。
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