ACT2:似て非なる相棒

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…えっ!? その時、唇にあった違和感と廊下の赤みの違和感の正体が判りました。 庇ってくれた男性の唇と私の唇が重なって… … … … 「…きゃぁぁぁぁぁあああああああ!!!」 落ち着け落ち着け落ち着け私! 深呼吸深呼吸!! 咄嗟に唇を離した私は、まだ唇に残っていた柔らかい感触を忘れるが如く暴走する。 「はぁはぁ…で…やっぱりこのやけに赤みのあるのは…」 彼の後頭部から滴る血液が流れていた。 髪の色も血で真っ赤に染まっていた。 「どっ…どうしよう…」 唇の件はひとまず置いといて、 取り敢えず… 「今はこの人を助けるのが先ですね…」 唯一の救いはまだ息をしている事でした。 しかし私も庇われたといえど、落下時の衝撃で身体中に痛みが走っていて、男性を抱えて何処かに向かうなど出来ませんでした。 この間にも、男性の血は流れ続けている。 「…どうすれば…いいの…」 そんな時でした。 「大丈夫か、皇さん!」 私の叫び声を聞き付けて、駆け付けて来たらしい会長さん…じゃなくて林原先輩でした。 「そ…この人を…」 説明しようとした途端、意識が朦朧(もうろう)として…意識が途絶えました。 「皇さん!皇さ…うん?この体格に髪型…まさか…!?」
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