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「…う…」
庇ってくれた人が目を覚ました。
「……………」
何も言わずに起き上がる。
「頭が痛む…うん?」
その人がまず私の顔を見る。
その次に奥側に居た媛槻先生を見る。
「おはよう」
「…お早う御座います、媛槻先生」
かなりゆっくりな挨拶でした。
「宜しい」
何か、様子がおかしかった。
媛槻先生が微笑んでいるのが見取れる。
もう一度私の顔を見てから、
「大丈夫でしたか?」
会長と同じ顔が私に問い掛ける。
呆然と聞き流し掛けて、
「あっ、はい。御陰様で」
取り敢えず応答する。
最後に会長さんの、林原先輩を見たその人が、明らかに呆れて言葉も出ないといった表情をした後…
「紫苑、何故私の変装をしているんだ?しかもカツラと特殊メイクを使ってまで…どういう訳ですか!!」
紫苑と呼ばれた会長さんが、必死に言い訳を始めた。
「はぁ…兄貴とあの行事で入れ替わった時以来ハマってな…ちょくちょくなりすま─」
…………………………
「あのっ…私、今頭が周らないのでどういう事かさっぱり判らないのですが…」
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