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その私の間抜けな顔をしつつの質問に、紫苑と呼ばれた会長さんと、会長に似た人が同時に答えた。
「「双子だよ、僕達。」」
えっ、
「昨日篠瀬先生と一緒に会ったのは、会長の秀に変装した俺だよ」
と言った途端、髪の毛と首筋から何かを引っ張る。
そして…
銀髪のカツラが取れ、その下から地毛と思われる黒色の髪と…
口元にほくろがついただけの、顔立ちが変わらない外見になった。
「まさか篠瀬先生も騙せるとは思わなかったが…」
「紫苑、後で詳しく僕が菜穂先生に伝えますね」
「まぁ…つまり、皇を助けたこっちの方が…」
「会長の林原秀です。昼頃に御会いしたのが僕です」
「……………」
「大丈夫かぁ…?」
「皇さん?」
「そんなの有りなんですか…」
「行事で変わったというのは、引継式の事よね?秀君」
媛槻先生が秀に問い掛けた。
「ええ、僕がその時体調不良でして…それで紫苑が、さぼったと見せ掛けて、僕の代わりを務めてくれたんですよ…」
そういえば…引継式に出席しないといけないのに…それがどうこう言ってましたね…昨日…
「つまりは…本当に認めてられていないのは…」
私が本物の秀さんに視線を向ける。
「そうゆうことです。
しかし誰も信じてはくれないのだよ…。アレは紫苑が行っていたことだとは」
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