ACT3:始まりは…

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「僕に変装しておいて、どうゆうことでしょうか?」 「…ったく、判ったよ」 流石に参った模様。 渋々承知する紫苑が魅遙に向かって、 「皇、保健室でも兄貴が言ったとは思うが…俺達の事は“紫苑”“秀”で良いからな」 唐突に言われたものでしたので、すっかり私は忘れていました。 「林原先輩だと、僕も紫苑も反応してしまいますからね。その為に先程話しておきましたが…」 会長さんが苦笑しているとゆうことは、どうやら同じ事が何度かあったようにも見て取れます。 「済みません…何分慣れない事でしたので…そっ、それじゃあ…秀先輩、紫苑先輩御免為さい…」 恥ずかしがるその娘からの先輩に、 「しおらしいですね」 「恥ずかしがるなっての」 しおらしくも感じた。 「なぁ兄貴?」 秀にしか聞こえない程度の音量で、紫苑が話し掛ける。 「どうしましたか?」 すかさず、 「今、萌えを感じたのは俺だけか?」 紫苑の爆弾発言に呆れて、 「落ち着きましょうか…それとも殴られたいのですか?それで宜しいですか?」 ややドスの効いた台詞が、紫苑にしか聞こえない程度に轟く。 「素で怖いよ兄貴」 紫苑は秀の左手を見てみる。 軽く握り拳が作られていた。
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