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「僕に変装しておいて、どうゆうことでしょうか?」
「…ったく、判ったよ」
流石に参った模様。
渋々承知する紫苑が魅遙に向かって、
「皇、保健室でも兄貴が言ったとは思うが…俺達の事は“紫苑”“秀”で良いからな」
唐突に言われたものでしたので、すっかり私は忘れていました。
「林原先輩だと、僕も紫苑も反応してしまいますからね。その為に先程話しておきましたが…」
会長さんが苦笑しているとゆうことは、どうやら同じ事が何度かあったようにも見て取れます。
「済みません…何分慣れない事でしたので…そっ、それじゃあ…秀先輩、紫苑先輩御免為さい…」
恥ずかしがるその娘からの先輩に、
「しおらしいですね」
「恥ずかしがるなっての」
しおらしくも感じた。
「なぁ兄貴?」
秀にしか聞こえない程度の音量で、紫苑が話し掛ける。
「どうしましたか?」
すかさず、
「今、萌えを感じたのは俺だけか?」
紫苑の爆弾発言に呆れて、
「落ち着きましょうか…それとも殴られたいのですか?それで宜しいですか?」
ややドスの効いた台詞が、紫苑にしか聞こえない程度に轟く。
「素で怖いよ兄貴」
紫苑は秀の左手を見てみる。
軽く握り拳が作られていた。
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