ACT3:始まりは…

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「もっ…萌ってっ…」 どうやら魅遙にも聴こえたようで、苦笑しているだけの様にも見えたが、引いてるのも明らかのようだ。 若干背後に何かが、明らか見てはいけない様な何かが見えた気がする。 「冗談通じない人達やの」 紫苑のお手上げ姿を見て、 「瞳が冗談を仰有(おっしゃ)ってることの様に窺(うかが)えませんが?」 「冗談も程々の内容にして下さいね、私もその手の冗談には耳を貸しませんので」 秀も魅遙も、顔は笑ってはいたが、心から笑ってはいない。台詞が刺々しく、完全に壁らしき物を発している。 冷た過ぎるその眼差しが紫苑に容赦無く突き刺さる。 「厳しいな…」 一人で自滅した紫苑を余所に… 「あっ…あれが私の家です」 白倉学院から徒歩10分くらいの距離だろうか、皇家に辿り着いた。 「御嬢様…でしたか」 「祖父の遺産でして…はい」 目の前には豪邸と呼べる程の敷地と、和風家屋が建っていた。
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