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─皇邸:玄関─
二人を中に上げられるかな…
頭にふと…悩みの種が浮かぶ。
「和ですね…」
「兄貴、羽目だけは外さないでくれよ…?」
肘突きして注意する。
「いつもの貴方に言える事です。それは承知ですよね…紫苑君?」
軽く逸らされ、且つ質の悪い言葉の反撃。
「ぐぅ…言い返せん…」
図星過ぎて。
「注意しときます」
「最初からそれだけを言えば良かっただろ!」
囁く程度の音量で怒る。
「たまには僕が意地悪するのも良いではないですか」
その二人のやり取りに笑ってしまう。
「やっぱり双子なんですね、弄り方が似てます」
突如の魅遙の発言に、
「そうですね」
「赤の他人なら気持ち悪いくらいだよ」
二人して言い返す。
「それじゃあ…少々御待ち下さいね…姉が茶の間まで案内してくれますので。私は着替えてきますね」
そう言い残しつつ、奥へと姿を消した。
「御姉さんに案内…ですか」
「ふむ、茶の間…」
なんか接待だな…
そう感じていた最中、「…えっ?」
奥から一人の着物を着た同い年代であろう女性が出迎えてくれた。
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