ACT3:始まりは…

6/22

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
─皇邸:玄関─ 二人を中に上げられるかな… 頭にふと…悩みの種が浮かぶ。 「和ですね…」 「兄貴、羽目だけは外さないでくれよ…?」 肘突きして注意する。 「いつもの貴方に言える事です。それは承知ですよね…紫苑君?」 軽く逸らされ、且つ質の悪い言葉の反撃。 「ぐぅ…言い返せん…」 図星過ぎて。 「注意しときます」 「最初からそれだけを言えば良かっただろ!」 囁く程度の音量で怒る。 「たまには僕が意地悪するのも良いではないですか」 その二人のやり取りに笑ってしまう。 「やっぱり双子なんですね、弄り方が似てます」 突如の魅遙の発言に、 「そうですね」 「赤の他人なら気持ち悪いくらいだよ」 二人して言い返す。 「それじゃあ…少々御待ち下さいね…姉が茶の間まで案内してくれますので。私は着替えてきますね」 そう言い残しつつ、奥へと姿を消した。 「御姉さんに案内…ですか」 「ふむ、茶の間…」 なんか接待だな… そう感じていた最中、「…えっ?」 奥から一人の着物を着た同い年代であろう女性が出迎えてくれた。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加