ACT3:始まりは…

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紫苑が正座に打ち負けていた頃だったろうか。 突然、部屋の入口に…普通に旅館にいそうな、女将みたいな人が顔だけを覗かせていた。 「あら、いらっしゃい」 柔らかい笑みを浮かべて部屋に入って来た。 「どうしたの?」 魅遙の素振りから母親だろう。 「挨拶ですよ、遥」 そういうとすぐさま双子の方を向き─ 「私はこの娘達の母親の弥翰(みふみ)です。魅遙に関してはこれからお世話になりますが、宜しく御願い致しますね」 深々と御辞儀された。 「こちらこそ、魅遙さんのことは現生徒会で任せて下さい」 「任せて下さいな、御婦人」 紫苑の言動に小突く秀。 「帰るまで何がしたいのですか?」 「悪かったから許せ」 苦笑しながら謝る。 恐らくこの後の仕打ちが判っているからこその即答だったのだろう。
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