ACT1:意気阻喪の最中

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─白倉学院:A棟教室 それは授業を終え、 担任の篠瀬(ささらい)先生に呼ばれた時の事です。 「皇さん、放課後…少し良いかしら?」 篠瀬先生は教師の中では、若い女性の国語教師で、私が白倉に来てからの唯一相談をしてくれる相手です。 「判りました…職員室に向かえば良いですか?」 「今日は…屋上にいらっしゃい、少々暖かい風に当たりながらの話も気持ちが良いと思うからね」 篠瀬先生は他の先生と比べると、物腰が柔らかい先生で…私が尊敬出来る一人です。 「屋上で待ってますね」 篠瀬先生からの呼び出しは珍しい事ではないのですが、今日の先生…話し掛けた時の表情が何故か引っ掛かりました…
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