ACT1:意気阻喪の最中

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私は一段一段と階段を登り、桜並木を見渡せる屋上へと辿り着きました。 ─白倉学院:A棟屋上 …と言っても、桜並木は既に緑に色を染め替えていますが… 前の学校の屋上は行く事が禁じられていたので、こちらに来た時に直ぐに出向いた記憶が今も鮮明に覚えています。 その時の景色が忘れられなくて、私はその時以来、此所で昼休みを過ごしています。 「先に来たのは良いけど…いつ頃来るかな…菜穂先生」 私は先生から、 「二人の時は名前で呼んでね」 と言われてます。 果たして教師がそれを認めて良いのやらと思ってますが… 私は鉄格子越しに風景を眺め、時間の過ぎるのを忘れました。 此所は高地にある学校で、この屋上からは桜並木の他に海沿いでもあるので、海も見渡せる場所で…私自身はまだですが、恐らく夜景は絶景と思います。 程よく密集した住宅の街の灯が綺麗かなと憶測ではありますが…そんな感じがします。 景色を眺める事恐らく10分くらい過ぎた頃合でしょう。 階段に続く扉が開きました。 「待ったかな?魅遙ちゃん」 「全く持って。菜穂先生遅かったですね!」 ちょっと怒ってみる。 「御免為さい、先程生徒会の会長と話をしててね」 篠瀬先生は生徒会執行部の顧問を受け持っている人です。 「会長さんですか?」 「ええ、何でも…今新一年の勧誘に必死なのよ…今年の二年に誰も生徒会居ないからね」 「つまり、人手不足なんですね」 あれ…なんだろう すっごく嫌な悪寒がひしひしと…
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