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二人が何の会話をしているのか、ちゃんと聞き取れなかった私は…
「一から説明してくれませんか?」
思わず聴いてしまいました。
勿論これが、生徒会勧誘している側からしたらもう…
「あら?入ってくれるのかしら?」
菜穂先生、目が光ってますね。
「本当かい?」
会長さん、素で聴かないで下さい。
と、心の中で突っ込みを噛まして置いて…
「いえ、だから先程の話という内容を私にも詳しく教えて下さい」
「魅遙ちゃんのその体質を完全にとまではいかなくても、多少なら慣れでどうにか出来るのじゃないかと思っていたところね、白倉の生徒会役員の男共は確か、浮いた話は一切ないからねぇ…三年は今月の中旬にあった引継式で会長の座は、この彼…林原秀君に託して、他の役員も変わったところ…まぁ狼達じゃない事は確かだね。
優男達の中でその体質をゆっくり治してみない?」
菜穂先生の案は悪くないとは思う。
「はぁ…ところで今人数は?会長さん含めて…って、そういえば居ないんでしたね。会長さん以外二年は」
この問い掛けに会長が答える。
「一応僕と同じ二年で、一年から一緒にやってきた人は二人居るんだけどね。その引継式に参加していなかったから、正式な役員として見られてないんだ。
その二人と僕、そして新しく入った一年で二人程かな。その一年の一人が女子生徒だね」
既に二人入っているのですか…
うん?正式じゃない?
「その二人はどうなるんですか?その正式じゃない二人の方は」
菜穂先生が説明する。
「彼らはね…まぁ色々あったからね…多分、次の生徒集会で総てが決まるわ。処遇がね…」
「取り敢えず…君はどうしたいのかな?えっと…皇さん?」
会長さんが私に勧誘の件で問い掛けてきました。
「…たまには人助けをするのも良いですね…少し不安ですけど…今も落ち着いてきましたしね」
笑みを浮かべながら会長さんと菜穂先生に承諾する。
「…宜しくね、魅遙ちゃん。手続きは私が既に済ましてるからね」
「えっ…あの…仮入部は駄目ですか?その…二年の二人が正式に戻る迄を期間として…」
焦る私を無視する菜穂先生。
「菜穂先生、もしかして初めから…」
会長さんが問い詰めてみる。
「私は彼女がそうゆう子だと、出会い頭に感じていたからね」
菜穂先生のこれ程迄にない満面の笑み。
会長さんも私も苦笑するしかなかった。
ひょんな事で私は、生徒会に仮入部する事になったのでした。
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