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拓海が逃げ出したのを見送って、圭と強は向かい合った。
『逃げちゃいましたね』
『逃げちゃったね』
そして、二人は笑いあった。
はたから見れば、なんと気持悪いことか。
男同士で、あはは、うふふと笑いあっている。
拓海としもべ関係が続く反面、強とはかなり仲が良くなっていた。
いろいろ悩みを相談しあった結果と言うべきか、今では互いのことならなんでもというくらい話し合っていた。
『強さん。さっきの呼び方のこと、冗談半分だったんですけど、やっぱ聞いていいですか?』
出会ったときから聞きたかったのだが、聞けずじまいで気になっていたのだ。
『もちろん、いいよ。あれは僕たちがまだ幼稚園に通ってた頃だよ…』
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