僕が君を好きで、君が笑うなら…

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楽しい団らんが終り、二人は寝室へ入った。 『よかった。あの子、恋ってつけたのに、ちっともそんな話しないんだもの心配してたのよ』 『でもなぁ、早くないか。心配だよ』 『何言ってるの。恋愛は若いうちに楽しまないと』 父:太一は、少し黙った。母:愛美(まなみ)は嬉しそうに話しているが、実は恋愛話になると、少し影がかかるのを知っていた。 『まな。もう平気なのか…』 『え…!?な、何が…?』 図星をさされたかのようにギクッとしたまなみを見て、溜め息をついた。 前から聞こうと思っていたが、話すのを待とうと決めていた。 だが、今、聞いてもいいのかもしれない。 『俺と出会った頃、まなは学生だったな』 『えぇ、あなたは働いてた』 愛美が大学生、太一が社会に出て一年目だった。 二人の出会いは… 最悪だった。
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