277人が本棚に入れています
本棚に追加
指をさして、叫んだ先には、先ほど痴漢扱いしていった女性がいた。
『え?あ、朝の痴漢。何よ、ストーカーまでしてたの?サイテー』
職員室にいた人たちが、それを聞いてざわついた。
『し、失礼なこと言わないでよ。僕は、そんなことしてませんよ。お陰で営業に来るのが遅れちゃって迷惑してるんだから』
『あら、本当かしら。いくらでも嘘はつけるわ』
『だから、やってないって』
そう言うと彼女が近付いてきた。
そして、じーっと顔を見つめられた。
僕も彼女を見つめ返した。
綺麗な顔立ちをしていたので、なんだか照れてしまった。
顔が真っ赤だ。
きっと…。
『嘘じゃないみたいね。悪かったわ。ごめんなさい』
彼女は素直に謝ってくれた。
ハッキリとした話方が印象的で、吸い込まれそうな瞳に釘付けになった。
出会いこそ最悪だったが、これが彼女との出会いだった。
最初のコメントを投稿しよう!