僕が君を好きで、君が笑うなら…

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指をさして、叫んだ先には、先ほど痴漢扱いしていった女性がいた。 『え?あ、朝の痴漢。何よ、ストーカーまでしてたの?サイテー』 職員室にいた人たちが、それを聞いてざわついた。 『し、失礼なこと言わないでよ。僕は、そんなことしてませんよ。お陰で営業に来るのが遅れちゃって迷惑してるんだから』 『あら、本当かしら。いくらでも嘘はつけるわ』 『だから、やってないって』 そう言うと彼女が近付いてきた。 そして、じーっと顔を見つめられた。 僕も彼女を見つめ返した。 綺麗な顔立ちをしていたので、なんだか照れてしまった。 顔が真っ赤だ。 きっと…。 『嘘じゃないみたいね。悪かったわ。ごめんなさい』 彼女は素直に謝ってくれた。 ハッキリとした話方が印象的で、吸い込まれそうな瞳に釘付けになった。 出会いこそ最悪だったが、これが彼女との出会いだった。
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