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俺が其処まで言ったそのときだった。
『はい……影は人間に似ていて……えっ!?キャアアアアアアア!!!!』
突然アナウンサーが悲鳴をあげたかと思うと、一瞬画面にあの化け物が映った。
そしてその直後、テレビ画面は砂嵐に変わった。
「……やられたのか」
「……みたいね……」
俺がテレビを消すと、優香里ちゃんが唸っていたのでちょっと話しかけた。
「どうしたの?」
「……あの化け物さ、……『ゾンビ』に似てない?」
「ん……?」
ゾンビ……
やっと今気付いた。
確かに……酷く似ている。
「じゃああの化け物たちは……ゾンビか。でも流石は優香里ちゃんだねぇ、良く見てるなぁ」
「…………ッ……!」
すると突然優香里ちゃんが真っ青になった。
「優香里……ちゃん?」
すると優香里ちゃんはハッとして俺の方に振り返った。
「い、いや何もないの!それよりこれからどうするか考えましょ!」
「あ……?う、うん」
こんなに慌てた優香里ちゃんを見たのは初めてだった。
彼女はこの時気づいていたのかもしれない。
あのことに。
第三章 了
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