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オルゴールが何も奏でないまま、月日は流れてゆきました。
若い貴族の青年は立派に成長しました。
けれども、変わらずオルゴールを大切にしていました。
そしてある日、その貴族は病に倒れました。
もとより身体が丈夫な方ではなかったのです。
床に伏せる日々を送ることになりました。
傍らにはいつもオルゴールがありました。
貴族はオルゴールを手に取り、ゼンマイをまわしました。
それでもやっぱりオルゴールは奏でませんでした。
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