目覚め…

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長い足が布団からはみ出している。 昨日の熱帯夜を考えればよく布団に入っていられるなぁ…と私は感心した。 昨夜、不快に思うほどの暑さで蹴っ飛ばした布団に男はくるまっていた。 この邪魔な男。 一応、私の彼氏。 佐久間 涼。 【さくま りょう】 23歳。 仕事は…知らない。 興味もない。 この家は涼の家だ。 私は高校を卒業してすぐに涼の部屋に転がり込んだ。 理由なんか大してない。 なんとなくだった。 実家が嫌いなわけではないけれど、ただ帰りが遅かったり帰らなかったり、その度に文句を言われるのが面倒だった。 だから、卒業後すぐに涼と実家に行き、涼と住む事を告げた。
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