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少年は扉にそっと耳を押し当てた。
虫の羽音の様だ。
それも蜂の様な重い羽音。
少年はその場でそっとしゃがみ込み、羽音が近付くのをじっと待った。
段々と羽音が大きくなるに連れ、扉や窓ガラスがビリビリと音を発てている。
羽音はすでに、バイクのエンジン音並の域まで達していた。
丁度その瞬間、羽音が扉を通り過ぎた。
少年『今だ!!』
少年は一気に廊下に飛び出し、M4A1-Gを肩付けに構えた。
その照準の先に捕えたのは、体長1mは有るかとゆう巨大なスズメバチだった。
巨大なスズメバチは、突然の奇襲に戸惑う様に方向転換しようとするが、間に合わない。
少年はためらう事無く、M4A1のトリガーを引き絞った。
M4A1のマズルから、ストロボの様に明滅する閃光が迸る。
その瞬間、巨大なスズメバチは悲鳴とも絶叫ともつかない金切声を上げ、銃撃の衝撃を受けながらドサッと床に落ちた。
少年はゆっくりと近付き、ワシャワシャと足を蠢かす巨大なスズメバチに止めの一発を撃ち込んだ。
ゆっくりと、だが確実に動きを止める巨大なスズメバチを見下ろしながら、少年は安堵の表情を浮べた。
しかし、その時間も束の間だった。
異変はすぐそこまで来ていたのだ。
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