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その異変に気付いたのは、目の前の巨大なスズメバチが絶命してから数秒後の事だった。
巨大なスズメバチは死んでいるというのに、まだバイク並の羽音が響いている。
なにより、背中に当たる異様な風が、それを物語っていた。
少年はM4A1-Gを構えながら、すぐに後ろに振向いた。
その瞬間、突かれる様な衝撃が少年を襲った。
巨大なスズメバチが、幾つもの返しの有る毒針を突き立てたのだ。
この巨大なスズメバチの猛毒は、強力な神経毒の様な物。
かすっただけで危ない代物なのだ。
だが、少年は難を逃れていた。
毒針は少年を突いたのではなく、M4A1-Gのマガジンを貫ら抜いただけだった。
しかも、返しの突いた毒針はマガジンに引っ掛かり抜けず、少年はM4A1-Gと一緒に引っ張られる形となった。
少年「クソッ!、・・・・こいつ、ラストのマガジンをっ!!」
少年はすぐさまマガジンキャッチを押しながら、後ろへバックステップした。
M4A1-Gからマガジンが抜ける。
だが、バックステップした場所が悪過ぎた。
少年の足先には、さっきの巨大なスズメバチの亡骸が横たわっていたからだ。
少年は亡骸を踏付け、バランスを崩して後ろに倒れ込んでしまった。
巨大なスズメバチはこれを見逃さなかった。
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