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顎に手をかけ思考を巡らせていた時
ピンポーン――
という馴染みのあるチャイム音と共に
「ちわーっす。速達です。受け取りの印鑑いただけますか?」
若い男性の明るい声が玄関の方から聞こえてきた。
俺はソファから立ち上がり、持ち歩いている茶皮のハンドバッグの中から印鑑を取り出し
「はい、ありがとうございます」
と鉄扉を開いて、柔和な笑みを浮かべている精悍な郵便配達員の、手元にある速達荷に印鑑をポンと押した。
郵便配達員が一礼して帰っていくのを見届け、受け取った荷物に視線を落とす。
「……何だろう、これ?ビデオテープ??」
がさがさっ……
と包装紙を破ると中から現われたのは、一本の深紅のビデオテープと、同色の一通の手紙だった。
朱華が、その手紙の裏を見て驚愕した表情で震える声で呟く。
「…………こ、これBLACK JOKERからの手紙よ」
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