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思わず目頭が熱くなり、目尻から涙がじわりと溢れだす。
「やっぱり……やっぱり生きていたんだ。きっと、生きてるって信じて――俺、うぅっ…………」
七年間、ずっと探し続けていた。
道をすれ違う同じ背格好の男性を見かけるたびに、九じゃないかと思い振り返って見ていた。
探偵になれば、きっと見つかると信じていた。
それなのに、こんな形で見つかるなんて――――。
頭の中が真っ白になり、口元を押さえ嗚咽を堪えていると
「八七……レッドパパの様子がおかしいわ」
朱華は、冷静にブラウン管を見つめたまま険しい表情をしている。
九はフローリングの床に横たわり、顔面蒼白で苦悶の表情を浮かべたまま、時折「ううっ……」と心臓を押さえ苦しげに唸っていた。
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