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「うわっ……よりによって、籠女塚の前かよ~。さっさと拾って戻るか」
ボールは、籠女塚と呼ばれる小さな供養塚の前に落ちていた。
不気味な雰囲気の漂う塚の前まで歩み寄ると、顔をしかめつつ腰を落としボールを拾おうとした……その時だった。
カツッ――――。
手に触れるひんやりと冷たく硬い感触。
それは、ボールの感触とは明らかに違うものだった。
その部員は、「何だろう?」と不思議に思い、少しだけ盛り上がった土を両手で掘っていく。
すると、地中の奥から現われたのは――。
「う……うわぁぁあああ!!!!」
校庭中に轟く引きつった恐怖に震える悲鳴。
その悲鳴を聞き付け、他の野球部員たちも体育館裏へとやってくる。
「どうした!?何かあったのか!!?……ひっ、こ、これって人間の――――」
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