LAST FILE【BLACK JOKER殺人事件0】

3/4
前へ
/58ページ
次へ
「うわっ……よりによって、籠女塚の前かよ~。さっさと拾って戻るか」  ボールは、籠女塚と呼ばれる小さな供養塚の前に落ちていた。  不気味な雰囲気の漂う塚の前まで歩み寄ると、顔をしかめつつ腰を落としボールを拾おうとした……その時だった。  カツッ――――。  手に触れるひんやりと冷たく硬い感触。  それは、ボールの感触とは明らかに違うものだった。  その部員は、「何だろう?」と不思議に思い、少しだけ盛り上がった土を両手で掘っていく。  すると、地中の奥から現われたのは――。 「う……うわぁぁあああ!!!!」  校庭中に轟く引きつった恐怖に震える悲鳴。  その悲鳴を聞き付け、他の野球部員たちも体育館裏へとやってくる。 「どうした!?何かあったのか!!?……ひっ、こ、これって人間の――――」
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3377人が本棚に入れています
本棚に追加