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かさっ……。
後ろに挟まれたもう一枚の写真に気付いた俺は、それを取り出した。
そこには、金色のウェーブがかった髪が腰まで伸び、サファイアのような碧い瞳は優しくこちらを見つめる。
端整な顔立ちで上品そうに柔らかく微笑む美女が映っていた。
あれ?この人、どこかで……。
俺は、初めて見るはずのその女性をどこかで見たことがある気がして、腕を組み唸りながら記憶の糸を手繰り寄せる。
「あ……思い出した!!朱華だ。この人、朱華によく似てる」
ポンと手を叩き、もう一度写真に視線を落とす。
雰囲気は全然違うけれど、朱華とその女性は瓜二つだった。
さらに、その写真の裏には
「これ……九先生の筆跡か?」
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