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優斗は少しビクビクしながら
「だ、誰だ!?」
と声をあげ、懐中電灯を音のする方に照らすとソコにはネズミがいた。
「なんだ、ネズミか…」
優斗がほっとして引き換えそうと後ろに懐中電灯を向けた。
その懐中電灯の灯りの先、四、五メートル先の足下には二本の足があった。
元マンションとはいえその廃墟の廊下を裸足で立つその足は、血濡れした様に赤く染まっており、太く強靭な見た目であった。
優斗が恐る恐るその足から上半身を照らして行くと…
オニがイタ。
角や牙をはやして、赤い筋肉質な肉体で金棒をもった鬼が、ソコにはいた。
「お、鬼…‥う、ウワぁー!!」
竜也は、一目散に逃げ出し、鬼の脇を通り抜けた。
それに続いて優斗も逃げた
そして孝二が逃げようとしたその時
ガシッ
「えっ?」
隼が孝二の腕を掴んで放さなかった
「はっ、放せよ!!」
孝二は隼の腕を必死振りほどこうとするが、しかし隼は凄い力で孝二の腕を放さなかった
鬼はドンドンと近よってくる
「は、放せ!!放せ!!!放せ!!放せ!!放せー!!」
しかし鬼は、もう金棒を振り上げていた…
そして隼は、ニヤリと笑いこう言った
「イヤダネ」
バシュッ!ゴリゴリ ボキッ!!
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