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「ちわっす!めずらしいっすね、三人一緒なんて!」
そう言って頭をさげているのは、この街に生息している不良の一人にすぎない。
いちいち名前なんて覚えていない。
「おまいらも遊んでる暇があるんだったら俺達の為に金でも集めてこいってーの!」
高史がそう言うと
「へへっ、すんません。」
嫌な予感を察知したのか、そう言って逃げるようにネオンの街へと消えて行った。
あいつはこの街で生き残るすべをしっている…。
あいつの言ったとうり俺達三人で街を歩くのは久しぶりだ。
一ヶ月程前、高史の野郎がこの街を仕切っている南龍組の若頭ともめて姿を消していたんだ。
と言っても隣り街のパチ屋にいりびたっていただけだ。
それで、俺と一夫も少しおとなしくしてたって訳。
なんでも南龍組の若頭は俺達を組に入れたいらしく、高史に接触してきたらしい。
残念ながら俺達はヤクザになんて興味はねぇ。
そういえば、何度か南龍組の若い衆に襲われた事もあったけど、逆にボコボコにしてやったような気がする。
……どうでもいい。
ヤクザ上等。
あいつらの為に生きる気はさらさらねぇ。
俺達は俺達のルールで生きる。
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