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「南龍組の若頭が何の用だよ!!」
「勧誘なら断ったはずだぜ!」
俺と一夫は敵意むき出しだ。
「おまえら本間になんも聞いてないみたいやなぁ。」
若頭はちらりと高史を見る。
高史は何食わぬ顔でタバコをふかしていた。
「まあええわ!高史に決めぇ言うたことやしな!」
そして若頭は俺達に向かって言った。
「そんな睨まんといてえな、あいにく今日は忙しいから喧嘩の相手はできへんで!」
そう言って女の肩を強く抱き寄せた。
女達がうれしそうにキャーキャー言う。
イライラが募る。
「じゃあな高史!よう考ええや!」
高史に意味ありげにそう言うと、女と騒ぎながら去って行った。
この男の大阪弁が、俺の中に眠る嫌な記憶をよみがえらせた…。
そんな事よりも今は高史に話しを聞かなくては。
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