日常

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カランカラン 古びた扉を開けるとカウンターごしにジジイが立っていた。 特別俺達を客としてもてなすわけでもなく、小さな声で「いらっしゃい」とつぶやいた。 俺も「レイコー」とつぶやき座りなれた席へと腰をおろした。  これもいつもの事だ… 「最近金の集まりわりーよな」 そう言って一夫はタバコに火を着けた。 「最近仕事サボってたからじゃねーの」 そう言って俺もタバコに火を着けた。 俺達の仕事… それはカツアゲ。 俺達はこの辺りの不良中高生をぼこって金を巻き上げている。 俺達が狙うのは不良だけだ。 別に制裁をくだしているわけではない。 不良というのは金集めに関しては飛び抜けたセンスを持っている。 殴れば殴るほど従順な下部になる。 ただそれだけ… カランカラン 「お~つかれちゃ~ん!」 「…あっ、いつものね!」 そう言って近づいて来るハイテンション男…高史だ。 高史は俺達のムードメーカーでもあり、なによりギャンブルの才能に秀でている。 いつでも冷静に物事を判断する一夫。 ムードメーカーの高史。 そしてすぐにキレる俺。 そんな三人に共通していること…… 血の気が多い
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