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ここはどこだ……?
ぼやける意識に浮かぶ疑問。もやのかかったような視界には、見たことのない景色。感じたことはあるだろう感触、温度。それにも関らず襲い来る異常なまでの違和感。
違和感を拭う為か、少年は短き幼い手を伸ばす。しかし、掴む物など有るわけはなく、ざらざらとした手触りだけが残った。
土の上……?
あ……僕倒れているんだ。
わずかに分かる現状。徐々にはっきりしてくる意識。そして気づく。妙に周りが熱い。じりじりとした太陽の様な暑さではなく、はっきりと熱いのだ。悪意のある温度、苦しいまでの塵と砂ぼこり。
おかしい……。と小さく声を出そうとするも、喉がひりひりと痛む。呼吸をするだけでも喉に熱が通る、火傷のような痛み。一体どうなっているのかが分からない。
熱を持つ大地から2本の腕でゆっくりと上半身を起こす。じんじんと痛む頭を動かして、ぼやける視界で辺りを見回した。
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