不自由のない生活

5/9
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
そのまま『さようなら』はできないから、とりあえず家に連れていく事にした。 落ち着いてから話を聞いてみると、母親と再婚した父親に毎日暴力を振るわれていたらしく、母親はそれを見ぬふりで助けてくれず。 そんな生活にたえられくて家を出て、あてもなく歩いていたらしい。 歳を聞くと俺と同い年だった。話を終えて一休みしたら、紗季ちゃんが 「いろいろありがとうございました。もぅ行かないと…」 そんな話を聞いてほっとけなくて俺は、「このままここで生活すればいいよ」と勧めた。 紗季ちゃんはいきなりの事で挙動不審になっていた。 「また家に戻っても辛くなるから、ここに住めばいいよ。カメ爺いいでしょ」 「お坊っちゃまがよろしいなら爺は反対しませんよ」と笑って賛成してくれた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!