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駅より少し離れた街中のある場所にその高校はあった。この辺りでは珍しい唯一の私服許可の学校だった。
黒のスリムなパンツに白のタイトなジャケットで身を包んだ藤城 樹は、今日も遅れて学校にやってきた。
昼前に学校にやってきた樹は、いつものように校舎の裏口から中に入った。
と、教室に向かう途中、いつものようにある人物に出くわす。
「あらっ?藤城くん。もうそろそろ来る時間だと思ったけど、今日も遅刻?ちょっとはもう少し早く学校に来てみたら?」
樹に声をかけたのは、保健室の浅尾先生だった。
「浅尾先生…。ヘヘッ!後で保健室寄るね!」
「まったくもう!どうせいつも時間潰しに来るだけでしょっ!」
樹は浅尾先生に、ニッコリとした笑顔を見せ、教室へと走って行った。
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