-Ⅰ-

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ドアがコンコンと叩かれる。 「はいっ?どうぞー。」 ガラガラっと戸を開けて入ってきたのは、樹だった。 「ヘヘッ。おじゃまぁー!」 「来たな、このサボリ魔!」 と、浅尾先生は、5時限目早々に保健室に乗り込んできた樹を小突いた。 「ヘヘッ。先生、今日もエロカワイイね!」 また小突かれる樹だったが、樹がそう言うのも無理もない。 浅尾先生は、身長は155cmに髪は金髪のショート、パッチリお目めに縁なしメガネ、グラマーなスタイルに胸のボタンが3つ4つ開いたYシャツと黒のミニスカート、そして白衣をまとった、26歳。言えば典型的なマドンナ先生のような存在なのである。 いつも、保健室は男子生徒達でいっぱいなのだが、午後になると誰も来ない。 きまって、樹が来るからである。 樹は、女子には人気があるが、男子にとってはとても近寄り難い存在なのだ。 そんな樹にも、心を許せる存在が居る。浅尾先生だった。 浅尾先生は、唯一、樹の秘密を知っている人物だった。そして、樹の良き理解者でもある。
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