プロローグ

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 薫の成績は常に、トップだった。教師から特別扱いされ、生徒からは羨望のまなざしてみられている。そんな周囲を薫は完全に馬鹿にしていた。しかし、そんな自分にもうんざりしていた。自分は何者なのかしら?もしかして黒い血が流れているかもしれない。そんなおそろしさから、薫は毎晩、自分の手首に傷をつけていた。傷口からあふれだす血の色と軽い痛みで、薫は心の平穏を取り戻すのだ。
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