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準備が終わったらしい、その人は校長の隣に座る
「さて、大体の事は聞いてる?」
「それとなく」
「…あなたも災難よね」
なぜか同情された
「自己紹介、私の名前は天宮鶴子」
「・・・あまみや?」
「まあなぜかこいつの姉になるわね」
「何でなぜかって言うのかなー妹は寂しいなー」
さっきのやり取りの合点はいくが、想像出来ない
雰囲気的に真逆の二人である
「ま、それは閑話休題。」
「さておかれたー」
「あんたはちょっと黙っててね。それで、あなたのお名前は?」
「…え、と」
不意打ちだった、ただ純粋に問いかけただけなのだろう
問いかけられただけなのに酷く狼狽する蒼髪の子
「…まあ聞いてるから良いわ、慈音ちゃん」
「…はい」
気を使われたらしい、ひどく憂鬱な気分になる
そんな様子を見て
「うーん、ホールは荷が重そうね。キッチンに入ってもらうか」
「え、と」
「ああ、どんな応対するかでどこに入れるか考えてたの、
あなたちょっと接客は難しそうだと感じるからね。」
どうやら面接をしていたらしく蒼髪の子から目を離さず続ける
ふ、と微笑みかけながら
「あそこの学校の生徒をうちはバイトで雇ってるのよ、因みに3人いるわね。この町ってなんと言うか企業の発展でできた町だからね、基本的に企業の社員、従業員が出勤しかしてこないから住宅はほとんどないし」
それに、と水を飲みさらにその人は続ける
「だから家庭自体がそもそも少ない子供も少ない、だからちっさい学校しかないしかも託児所兼任、学校終わっても親が働いてる最中だから一人にさせるのは不安って子雇ってるのよ」
この町は住宅が少ない、それは知っていた
だが理由は知らなかった、初耳である
「お金も稼げるし社会経験も積める、そこそこいい案だと思うから要求に答えて る感じでやってるわ」
「お願いしたのは私だよ、雇ってやってくれーってね」
「それ聞いたときは面食らったけど…法律的に引っかからないようにやってるから心配しなくていいわよ」
成る程な、と理解と共に納得をする。
確かに働くことは大事だ、お金と共に社会の厳しさを肌で感じ取れる。
蒼髪の子が意味を半濁しながら考えてると、
その人は最後に微笑みながら言う。
「無理強いはしない、嫌ならここで断ってもいい。あなたはどうしたい?」
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