1852人が本棚に入れています
本棚に追加
「ラストアリス?あなた試練を放棄するのかしら?」
アリスが聞いてきた。その質問は意地悪ではないか?
「だってこの…もう自分でスタートしていい?」
フーラはアヘアヘと千里の後ろで寝転がっている。
「ダメよ。これは打ち手にうってもらわなければ滑れないようになっているの。残念ね。」
確かに自分で滑り出そうと身をのりだそうとしても全然進まない。
「そんな…」
どうしたらいいのか?物語のアリスならどうした?アリスなら…
そうだ!!!
千里はフーラの首を掴んだ。
そして首を軸に体をふりこのように揺らし、そのまま無理やりではあるが自分自身に体当たりさせた。
するとリトルアリスのスピードの倍くらいゆっくりに滑り始めた。
「良かった。」
ふうっと一息ついたのもつかの間。何か気配を感じたので振り返ってみると、なんとフーラが一緒に滑っていた。
「えぇ!!ちょっとちょっと!何でついてきちゃったの!?」
フーラはただアヘアヘと笑っている。
もう遥か向こうになってしまった滑り台の出発地点を見やるとアリスが千里を見下ろしていた。
「果たしてフーラがあなたにとって良いものになるかしらね…」
千里は光に包まれた
最初のコメントを投稿しよう!