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「…ハツネ。別に私が何をしようがあなたには関係ないでしょ?」
そう言ってハツネの前に立っていたのはアリスだった。
「え??どういう事??」
フーラと取っ組み合いになった状態のまま千里は扉の隙間から二人の事を見ていた。
「確かに。しかし私はここの神主。何かを盗むのならば私はそれを知る権利がある」
「あら…盗むなんて言い方よくないわ。そうね…ハツネを敵に回すと面倒ですものね。いいわ。これよ。」
そう言ってアリスが手の上に出したのは赤い綺麗なビー玉。
「…それは誰かの¨声¨ですね??」
「フフ。そう、アリスの試練に関係するもの…と言っておくわ。この世界に未来があるならばそれは私達の思う通りになるべきでしょう??…時間がないわ。もう行きます。」
そう言ってアリスは去っていった。
…アリスの試練に関係する… 声 …
そこまで考えててはっとした。 チャイナはたしか言っていた。コーカス・レースの時、誰かがこの神社で時空を超え、メリーアリスの声を盗んだと。
「じゃあ…アリスだったんだ…」
信じられないっという気持ちと、やはりそうだったのかという気持ちが千里の心を締め付けた。
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