不思議の入口

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千里(チサト)は夜中、こっそりと本を読んでいた。 こんなもの読んでいると寮の友達に知られたら恥さらしも良いところだから。 それは、誰もが知っている童話、不思議の国のアリス 天祢(アマネ)千里は今年19歳の大学生だ。 長野の実家から離れ、今は東京の大学の寮に入っている。 千里は4歳の時から寝る前に必ずする事がある。それが不思議の国のアリスの絵本を読む事だ。 何故かは分からないが、あえて言うならば、母親が読んで聞かせてくれたのを子守唄にしていたから妙な安心感を抱く事ができるのだろう。 そう。その日も同じように絵本を開いた。
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