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街外れの小さな公園に一人の男と数人の群れを作っている若者達がいた。
―またか…
男がそう思っていると、
「一人でこんな時間に何してんの?危ないよぉ~」
若者達のリーダー格らしき男が話しかけてきた。
その言葉に、周りの若者が笑った。
夜中の三時。
確かに、一人でいる時間にしては遅い。
「別に、ただの散歩だよ。」
そう答えた男の周りを若者が囲んだ。
「じゃぁ、通行料でも払ってもらいますかね?」
「あんた等にやる金なんてね~よ」
男はそう言って、人差し指を立て、自分の方に2回曲げた。
「こいつ!!てめぇら、やっちまぇ~!!」
リーダー格らしき者の指示で、周りの若者が一斉に男に襲いかかった。
それでも、男は涼しげに笑うと拳を作り、向かってくる若者を殴っていった。
「あとは、あんただけだな。」
数分もしない内に、公園に立っているのは男とリーダー格らしき者だけだった。
「…こないのか?」
男が一歩近づくと、
「ひぃっ!!」
情けない声をだし、リーダー格らしき者は逃げて行った。
「…たくっ、自分から絡んどいて逃げんじゃねーよ。」
一言ぼやき、男―佐藤智也は自分の家に帰って行った。
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