雲一つ無い夏の空の蒼さ

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「間に合っ…」 … …!? 眼前の殆どが白い… 「…どうして!」 女性の叫びで我に還った。 横断歩道の手前でへたり込んでいた。 鼻先にある白いスポーツカー。 母親の錯乱。 なだめる警官。 ストレッチャーを担ぐ救急隊員。 遠巻きに事態を見守る人々。 警官の質問を受け答えする俺… 「間に合わなかった…のか…?」 「ええ、そうです…」 「分かった。君は大丈夫か?」 「はい。俺は何とか…」 どうやら事情聴取の最中だったらしい。 「そうか。協力ありがとう、気をつけて帰りなさい」 まばらに集まった人を避けながら、力無く駅へと向かう… パトカーが走り出した。その中に黒いTシャツを
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