雲一つ無い夏の空の蒼さ

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着た男。 「彼が犯人か…」 まだ二十歳そこそこと見える男性がうなだれて運ばれていった。 パトカーが見えなくなる頃、視界がぼやけてきた。 その十字路よりずっと手前の路地で左折し足を止めた。 涙が溢れ、こぼれそうになるのを堪えるために、天を見上げる。 一欠けらの雲すら無い空は、まだ沈まない太陽の輝きとは対照的に、深い蒼の侵食が始まっていた。
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