果ての無い階段、上る程に沈む太陽

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となりつつあった。 …人通りが多い。駅がもう見える距離まで来ていた。 「俺は今どういう顔をしてるんだ?」 意識が外へ向くと、他人の目が気になってきた。 とっくに涙は止まっているが、もしかしたら目が真っ赤になってるかもしれない。それに不幸のドン底のような、しょぼくれ顔になっているだろう。一旦足を止め、両手で顔を拭くように擦って精神を落ち着かせて、ふうっと一息ついて再び歩きだした。 周りはサラリーマンやOL、学生といった人達が駅を目指して一様に進んでく。真っ直ぐ進行方向を見ている長身でスーツ姿。足元が気になるのか、ずっと真下に目を向けている
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