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中年男性。携帯を見ながら歩いてる若い女性。鞄の中身をしきりに確認している女の子…そして目線が駅舎のやや上に向いてしまってる俺…
日は既に暮れ、星がまばらに瞬き、端っこには申し訳なさそうに満月が顔を覗かせているが、今、圧倒的に空を支配しているのは、暗黒を背にしたあの蒼さだ。
この街周辺の夜空の不気味さは今に始まった事ではなかった。あの工場が稼動して間もなくからであったろうか。
何の事もない日常に普通でない自分が紛れて、共に同じ方向へ歩いて行くのがなんとも滑稽に思える。
赤信号で同時に止まり、青になると同時に歩きだす。
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