雲一つ無い夏の空の蒼さ

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 正に快晴だった  夏の暑さに慣れ始めたとはいえ、木陰に体を預けて直射日光から逃れているとはいえ、猛暑と宣告された日の真っ昼間の温度はなかなか耐えられるものではなかった。 全身からぷつぷつと涌く汗が玉のようになり、表面張力が自重に耐え切れず、幾筋も身体の凹凸をなぞり下方へ流れゆく。行儀良く膝を曲げた体育座りも膝裏の汗溜まりの感触が気持ち悪くて、とっくに止めた。一時腹に乗せて組んでいた手も、ぬめったTシャツに嫌気をさして左右にだらしなくほうり出されている。
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