雲一つ無い夏の空の蒼さ

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正午の頃の日陰は短く、膝より下には容赦なく大量の太陽光が間断なく刺さるっている。おかげでジーンズにニクロム線が混紡され発熱してるんじゃないかと疑いたくなるほど熱い。場所を変える事も考えたが、見渡す限り、屋根が被った所もなく、点々と植えられたそれほど高くない樹木の下は、みなここと似たようなものだ。  唯一、というか、それは単一の施設ではないのだが、見える範囲で、勝手に涼める建物はある事はある。直ぐ後方に、なんの活動感もない潰れた工場が無防備に何棟も放置されている。しかし、そこには一足とて踏み入れる気にはなれない。地元では有名な心霊
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