雲一つ無い夏の空の蒼さ

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もので、支障はあるのだが、もっと酷い症状が植え付けられていた。記憶が飛んでしまうのだ。唐突に、しかも頻繁に発動してしまう。 今、ここに座り込んでいるのも、何故かわからず、ただ気がついたらここに居たのだった。  記憶の欠如には時間の長短があり、その間の行動は当然思い出せないのだが、最近になり、時折何の行動の軌跡も無く時間だけが過ぎていたり、驚く事に時計の針が戻っていた事もあった。これを認識した当初は、欠如以前の記憶違いであろうかと思い込もうとしていたのだが、明らかに同じ時間を二度経験している。短時間の極近い未来がすでに記憶され
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