雲一つ無い夏の空の蒼さ

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に財布が無い事に気付くな」一秒に満たない時間にそこまで思考が働いているにも関わらず、財布が無いと分かる時に、何故か始めて体験したかのように一瞬の焦りの後直ぐさま安堵が生じるのだ。どうやら記憶と認識以外の脳内反応すら一度目と同じでなければならないらしく、まして自分の挙動はどうあがいても変えられそうにない。  つまずき転びそうになって、みっともない格好で辛うじて踏ん張れた時があった。その時はおそらく五秒程戻っただろうか、つまずかないように歩幅を変えようと意識したが、ギクシャクする事もなく何事もないように拒否されている。確かに歩
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