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男の子を連れて散歩してるのが見えた。
母親は男の子の数歩前を行きながらも、男の子が視界の外に出ないように目配せしてゆったり歩いていた。男の子は母親の優しい眼差しなどお構いなしに、気の向くまま、右に左にヨタヨタし、何か興味を示すものを地面に見付けたようで、急にしゃがみ込んで、小さな手で何かを指差してジッと見つめ出した。
「ありさんだね~ちっちゃいね~」
直ぐ我が子に近寄り、同じようにしゃがんで優しく話し掛ける声が辛うじて聞こえる。男の子は理解したのか、2度頷いた。
思わず頬が緩む光景だ。
「さぁ、もうお家に帰らないと」
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