鬼と魔王

2/5
前へ
/257ページ
次へ
信長の行動に感動し、 彼のことを追いかけながらも、 勝家は元来の主君・信行のことを気にかけた。   信行は乱行の目立つ信長とは 裏腹に、礼儀正しい真面目な若者で、家臣の中には、 『長幼の序に反しようとも、  家督はあのうつけではなく、  弟の信行様がお継ぎに  なったほうがよろしい』 と意見する者も多くあった。勝家もその一人であり、 その考えは今も変わらなかった。 また、彼は兄弟の実母である 土田御前に取り入って、 母の愛情を独占する利口者 でもあった。   そんな真面目で利口な信行の顔に、その家老である勝家の軽率な行動で、泥を塗ることにはならないだろうか…   勝家はそれを気にしつつも、 信長とはいかなる人なのかを 知るべく追いかけた。
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

244人が本棚に入れています
本棚に追加