第1華 契約

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凛とした声が、少女の後ろから聞こえた。 自然とその声の主を見る。 そこにいたのは、小さな少女だった。 薄い紫色の髪を、上部分だけ二つに縛り、首元が覆われた黒いロングワンピースを着ている。裾には大きくスリットが幾つか入り、そこから紫のレースが見える。 靴は黒いブーツを履いており、胸元には金と赤のリボンで装飾された紫水晶のブローチがついている。 「…女の子…?」 少女の言葉に、小さな彼女はむっと顔をしかめた。 「…貴女が想像してるのは人間の少女だろうけど、生憎と私は人形だよ。」 「は…人形? 私の知っている人形は動いたり話したりしないわ。」 「でも事実私は動いている。認める事だね、現状を。」 人形の少女が言う言葉に、少女は戸惑った。 だが、確かに目の前で動いたり話したりしているのだ。 少女はありのままに受け入れる事にした。 少女が黙認したと察したのか、人形はうっすら微笑んだ。 「…それでいい。賢いね。 さて。本題に入らせてもらうよ。」 .
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