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男の死体をそのまま放置して取り敢えず宿を探す。
酒場の女性が言っていた通りの道を辿ると、ライトに照らされた宿の看板が見えた。
割と大きな宿で、木造だ。いい宿を教えて貰ったものだ。
中へ入るとすぐ、木の匂いが香った。フロントには若い女性がいて、「いらっしゃいませ」と頭を下げる。
「本日は…」女性が顔をあげながらそう言って、目が合った瞬間に彼女は瞬きをした。
女性はそのままボクを見て固まってしまったので「ん?」とボクは首を傾げる。
すると彼女は直ぐに「ほ、本日はごりよういただきましてありがとうございます。」と言い直した。
どこかオドオドしていて、顔を赤らめている。
ああ、と思いつつ、ボクは彼女に笑いかけるだけで構わずに手続きする。
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